怪紀行京都・ステンドグラスまばゆく 橋本遊廓跡
■鬼龍院花子の生涯
どうも五社英雄です。舐めたらいかんぜよ!
みなさん、『鬼龍院花子の生涯』観ました? 最高ですよね、仲代達也。いぶし銀でかっこいい。五社英雄といえば、滑稽にも思える極端なシーンがまた味のある名監督です。
一見、笑わせようとしているのかと邪推してしまうシーンだけど、やりすぎさが寂しさや虚しさを引き立てていて最高にいいです。
とはいえ最東は『肉体の門』、『吉原炎上』、『鬼龍院の生涯』の三作しか観ていませんが。
おまんら、覚悟しぃや!と岩下志麻さまにニューナンブぶちこまれそうですが(ニューナンブ?)、『極道の妻たち』は未見です。はよみな。
橋本遊廓を紹介するのになんで五社英雄監督が関係あんだよ、なんだよ鬼龍院花子ってよ!って思ったでしょ、そこの愚民。
あの映画すごいんだよ?
だって、鬼龍院花子って夏目雅子のことだって思うじゃん?違うんだよ、え、こいつなの?って思うようなのが鬼龍院花子なんだぜ。夏目雅子に比べて地味すぎる女の子なんだぜ。
おっと、そろそろそこの君から『ダマップ!愚民はお前だ!』と岩山両斬波(北斗神拳の技の一つ。ケンシロウが原作で二度使用した。北斗百裂拳に次ぐ人気の技で、敵の頭部に狙いを定めて強力な手刀を振り下ろし相手に致命的なダメージを与えるものだが、その破壊力は相手の頭蓋骨に手刀がめり込むほどである。 ※ピクシブ百科事典より)されそうなので真面目に答えると、宇治川の隣に流れる大谷川沿い、京阪橋本駅そばにある旧遊廓のことです。
だから五社英雄と鬼龍院花子との因果関係0ぴあつghじゃ@ぽ……ダマップ!
五社英雄監督、夏目雅子主演『鬼龍院花子の生涯』(1982年)にこの橋本遊廓がロケ地として登場しているのです。(観たけどどの辺かはよくわからなかった。いつか再確認しにいきます)
■橋本遊廓とは
というわけで鬼龍院花子の生涯を追って(間違いではない)、やってきました橋本遊廓跡。
数年前まで歌舞練場があり、橋本遊廓跡において最大のランドマークとなっていたらしいのですが、私が訪れた時にはもうすでに取り壊され更地になっていました。とても残念。
しかし、怪紀行というものはこういうものなのです。
当ブログでいう怪紀行とはかなり広義のスポットを差しますが、産業遺産、珍スポット、遊廓跡、戦跡など。そのほぼすべてに共通するのが、「今行かないと次はなくなっているかもしれない」という点です。
だから怪紀行(珍スポマニア)は、「行きたい!」と思ったら「すぐ行く!」が鉄則。行動力なくして怪紀行はならず!
橋本遊廓跡は各駅停車の普通電車でないと止まらない橋本駅にありますが、駅そのものもかなりいい感じに味があります。駅前にはかなり昔からやっている喫茶店がありましたが、度胸のないあたいは入る勇気がありませんでした。
川沿いの遊廓とあって風情があり、営業していた時代はかなり盛況だったようです。娼妓は400名以上在籍しており、その賑わいぶりがうかがえるようです。
京阪沿線の遊廓と言えばかつて桜新地が枚方にあったこともあり、在りし日は男のワンダーランドとして認知されていました。
“勤王の志士と新選組とが仲良くかくれ遊んだので大きくなったという淀川べりの遊里……関西の粋人は京阪神を避け橋本へこっそりやってくる”と書くのは昭和30年に発行された『全国女性街ガイド』(渡辺寛・著)。
いわゆる遊里の中でも【穴場】だったことがうかがえます。(戦後の橋本遊廓を書いているため、ここでは遊廓ではなく遊里という言葉を使いました)
■イロトリドリの遊里
橋本遊廓跡には今も当時の遊廓建築が残っています。ひと気の少ない駅なので、廃れた雰囲気を醸していますがどっこい民宿、旅館として現在も営業しているお店もあります。
中国出身の女性がオーナーを務めているマッサージと素泊まり旅館【橋本の香】は、旧三桝楼を修繕し当時の趣のまま営業しています。
こちらは500円を支払えば見学のみもでき、その際はオーナーが案内してくれます。かなり詳しく教えてくれるのでかなり見応えがあります。
「歴史的にこんなに素晴らしい日本の遊廓建築がこのまま取り壊されるのを待つだけなんて勿体ない。残していきたいとおもった」と思いを語ってくれました。しゅごい、なんて立派なんだ……
なんと二軒隣りにある旧第二友栄楼をも買い取って、クラウドファンディングで資金を募り茶房としてリノベーションし、営業を開始しました。
その情熱のおかげで、橋本遊廓跡は今もかつての面影を残しながらしっかりと息づいています。
特に橋本遊廓の特徴として、色とりどりのステンドグラスがあります。
明治や大正には西洋文化が流入し、花柳界はより華やかな場所となります。このころの妓楼にはステンドグラスを施したカラフルで美しいものが増えました。
ほとんどの遊廓が老朽化や風化によりすの姿を失くしていますが、橋本遊廓にはいまだにステンドグラス洋式が残っています。
曰く、これらは一点もので割れたりするともう修復できないそうな。これぞ怪紀行の醍醐味。
橋本の香の中でもステンドグラスを施したハイカラなデザインの窓がいたるところにありました。
光を当てるとものすごく幻想的で美しい。特に当時のデザインがモダンでかわいらしく、いろんな表情を見せてくれます。
さらに窓や戸に使われているガラスも当時のものが多く、今ほど技術が進歩してなかったこととガラスの品質が悪かったためよく見ると波打っていたりしていて興味深いです。
こちらもステンドグラスと同じく、割れると替えが利かないので貴重です。
外見だけではわからない、内面の美しさがここ橋本遊廓にはあることを知りました。
一度遊びに来なはれ、橋本遊廓
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